川崎病遺伝コンソーシアムとは、川崎病と遺伝子との関係について、さまざまな立場から研究を進めようとする取り組みです。
川崎病の原因は未だに不明ですが様々な特徴が見つかっています。
女の子に比べて、男の子の方が1.4倍多く発症する。
アジア系人種、中でも日本人に多い。
親やきょうだいが川崎病にかかったことがある場合、かかったことがない場合に比べて数倍かかりやすい。
この様々な特徴から、「川崎病のかかりやすさ」には、「遺伝子のちょっとした違い」が関係するのではないかと考えられるようになりました。
そこで、川崎病にかかったことのある患者さんの遺伝子を詳しく検査させていただき、川崎病のかかりやすさ、治療の効きやすさなどが、生まれながらの体質とどのように関係するかを調べます。この取り組みによって川崎病の原因を明らかにしたり、治療をより適切なものにしたりすることができるかもしれないと考えています。
遺伝子とは
「遺伝」とは、親の「体質」が子供に伝わることです。
「体質」というのは、顔立ちや体つきなどの他に、性格や病気にかかりやすいかどうかということも含まれます。
この「体質」を伝えるものが「遺伝子」です。
「遺伝子」は人間の体の中にある「DNA」と呼ばれる二重らせん構造の形の中にあり、
「体質」についてのあらゆる情報が入っています。
最近の研究では、遺伝子の中身は親子に関わらず99.9%同じであり、 たった0.1%の遺伝子の違いが、顔立ちや体つき、性格の違いにつながっていることがわかりました。
そしてこの0.1%の違いが、様々な病気へのかかりやすさや治療の効きやすさと関係があることもわかり、個人個人に適切な治療法ができるようになってきています。